【映画レビュー】デュアル・ラブ (原題:Squared Love)

マネージャーやその妻以外誰も本当のことを知らずに続けていたのは大変だったでしょう。
子供たちに熱心に指導する姿や立てこもった生徒を説得したり、恥ずかしいと思いながら父親のために続けたモデル業も兼任する姿は健気でした。

ただ、カツラとコンタクトとメイク、普段は地味な格好をしていたからバレなかったというストーリーでしたが、結局何人かにはバレてたのでちょっと設定に無理がありましたね。

友人に唆されて借金を作ってしまった父親。
モデル業をバラされたくなかったら金をよこせというクズ整備士。
夫と妻を残して一人旅に出る妻。
所かまわずタバコを吸う女性教師。
独占欲の強い女上司。
とにかく、主人公以外に問題を抱えた人物多すぎでしたね。
ただただ迷惑なキャラクターで、そんなに笑える程面白くもなかったです。
この辺はカルチャーギャップがあったりするのかもしれませんが微妙でした。

女上司の嘘で亀裂が入りかけるも誤解も解け、なんとか修復するも正体がバレるというハプニングもありながら幸せにはなりましたね。
もっと第一印象を覆す、仲が深まるストーリーがあるのかと思いきや別になく都合よく付き合いだしたので拍子抜けでしたね。
美男美女のイチャイチャしてる姿をただただ楽しみたい方達には良い内容だったと思います。

とにかくストーリーの理由付けが甘い作品でした。

突っ込みだしたらキリがないんですが、特に一番ひどかったのは、
アニアがアナフィラキシーショックで倒せた際にカツラを取った理由が全く分かりませんでした。
そもそも、アレルギー持ちの子供が直近で同じような症状を起こしていてまたショック状態になるって、普通に考えたらあり得ないです。

エンツォがモニカを好きになる理由も、モニカがエンツォを好きになる理由も薄すぎました。
エンツォは女上司とよりを戻したいという伏線をバンバン張っていたのにあっさりモニカに傾きましたし、コールガールと間違われたりすぐ綺麗な女性に目移りする軽薄男にコロっと傾くのも納得できなかったです。
もっとモニカの教師とモデルの設定を活かせたストーリーはいくらでも作れるだろうという思いでいっぱいです。

数多くのラブコメ・ラブストーリーを鑑賞してきましたが、久々に下から数えた方が早い作品でした。